教師。 | 小説。 | 最初。

● 〜もしも、LLC実験室なら〜  ●

「えーと…どこだっけ」
俺、根元ココロは、妹に頼まれて叶 英吏博士にお夜食を作ってきたんだ…。うう、なんで俺がこんなことを…。
 俺だって、一介の研究員で去年からある研究所で助手として働いてるんだ。そして、今年は妹が、LLC研究室と言う、LLC女学園の延長線上にある研究所に勤務し始めたんだ。そして、今日はいきなり…。
「お兄ちゃん!ごめん。あたしの担当してる博士にさ、今日はお夜食頼むって言われたのに、忘れちゃって!作って持っててくれない?」
「はあぁ〜!?なんで俺が。ってか、お前、今どこにいる…」
「野暮なこときくもんじゃなわいよ、お兄さん♪」
デートに決まってるでしょ。
 そんなことをサラリといわれ、俺はカーッとなる。どうせ、どうせ…俺はこんな歳になって、デート一つしたことない男ですよ。
「女性嫌悪症のお兄ちゃんにはわからないよねぇ、金曜日がどんなにすばらしい日か」
「わ、わかるよっ」
俺とまったく同じ顔の妹は、小さい頃からモテモテで。俺は、女保母さんに人気で……。なぜか女装やら、させまくられたり、家でも母さん、姉、従姉妹、叔母に毎日毎日苛められる始末。そのおかげで俺はすっかり女性というものが怖くなって、今じゃ蕁麻疹プラス失神のお徳セット…。
「Mステが入る…とか」
自分で言っててどうかと思った。
「ばっかじゃないの」
うう…。一つしたの妹にまでこんなこといわれてたら、俺…本当にヤヴァイかも。
「とにかく、お願いよ。英吏博士にもってって。前もやってくれたじゃない。ああ言う感じでいいから」
「う…うん…」
「じゃあね」
プツン。
 思いきり電源を切られる音がして、耳がいたい。
 前みたいでいいっていわれても…。
 前…。
 前…。
 ココロの顔は妙に赤くなっていく。
 だぁって、だって、あそこの研究所、何調べてんだかわかったもんじゃないんだってば!本当。よ、よくわかなかったけど。AVやら、エロ雑誌の図書館があったり、格安ラブホテルベスト20なんてランキングが張ってあったり、はては会う博士、会う博士、みんな驚くほどかっこいいし…。
「英吏博士は…」
名前を出すと、もっといっそう頬は赤くなる。
 英吏博士なんて飛びきり急のかっこよさだ。まあ、その日は本当さっさとお夜食渡して返ってきたんだけど…。
 そして、今日もLLC研究所にいるってわけなのだ。
 しかも、迷子。
 ううう〜!二時までに行かないといけないのにぃ〜。右見ても左見ても真っ白なお城みたいな作りの研究所で俺は途方にくれていた。
「あれ?ココロくん?」
「あ、宮博士!」
一つのドアを開けて出てきたのは、天然パーマが神々しい、北条宮博士。主に医術系の研究をしてるって前妹に聞いたけど…。
「英吏博士にお夜食持ってきたんですけど、迷ってしまって。すみません、どちらでしたっけ…?」
「ちょうどいい」
「はい?」
宮の双眸が光る。
「うわぁぁぁっ、なんなんですかこの部屋!」
「何って、僕の研究室だけど」
怪しい発言と共に連れてこられたのは英吏の研究室じゃなくて、宮の研究室。
「な、な、な、何を研究してぇ…」
「お医者さんごっこえっち」
「お、医者さん…ごっこ…え、えっち…」
「そう」
どさっと投げ込まれたのは、歯医者さんの使うあの動く椅子。最初は背もたれがある状態だったのに、ウィーンという機械音とともに、俺の身体は横たわっていく。
「あ、あの…」
「協力してくれるよね?僕の研究に」
「い、嫌ですっ!!」
そう言ってるのに、北条もその上に乗っかってきて、回りにあるおかしな歯医者さんグッズを手触りで探してる。
 口に入れる鏡だったり、歯に穴をあける機械だったり一式そこにはそろってて、それだけじゃない。俺の座ってるイスの隣は普通の病院の入院ベッドだし、反対怒鳴りは、耳鼻科みたいな吸引機や、グッズがそろってる。
 まさに、お医者さんワールド。
「じゃあ、この鏡でまずココロくんの下半身見てみようか」
そういいながら、北条は俺の履いていたズボンのファスナーを降ろすと、おれ自身を直接出すことはなく、生で握り、その隙間に鏡を押しこんだ。
「ほら、見えませんよ〜。もっと、大きくして下さい」
お医者になりきりな北条の卑猥な言葉が耳に飛び込んでくる。
「い…んぁ…嫌だって…ばっ…あっ」
「うん、可愛い★ほら、動かないで下さい」
そういいながら、北条は他の機械を握り始める。
「じゃあ、一回洗浄しましょうね」
「んっ・……ぁ…っひゃあっ」
いきなり下半身に水しぶきがかかり、仰け反るほど身体が敏感に反応する。
「大きくなってきたね、見やすくなってきたよ。ほら、君にも見える?鏡でこの角度にすると…」
「や、止めてくださいっ〜!」
「何やってるんですか?」
懇親の力をこめて叫ぶとそこには、調理系を専門的に研究してるって言われてる和泉京太郎博士が。
 俺は、一瞬北条が怯んだすきを見て、北条のお腹を蹴ると、ダッシュで京の元へと走った。
「和泉博士!こんばんわです。あの、俺…英吏博士にお夜食をぉ…」
「ココロくん!わぁ、丁度よかった。俺の研究にも手伝って★」
「は」
否応無しに俺は引きずられるまま、京の研究室へ。京の研究室はさすが調理系専門と言うか…ほとんど調理場に近かった。
「あ、あの…俺…」
英吏博士に届けなきゃいけないんですけど…。
「ねえ、ニンジンとナスとキュウリどれが好き?」
「は」
「だから、どれが好き?」
「え、えーと…あの…」
急にそんなこと言われたって…。ってか、なんでニンジン、ナス、キュウリ?サラダでも作るの?
「じゃあ、三つともタメすしかないかな」
そう言いながら、京は俺の腰辺りを怪しく撫で始める。
 ヤヴァイ!いきなり危険を感じて逃げ出そうとしたら、調理台のまな板の上にドスっと置かれる。
 目の前には京、後は包丁。絶対絶命!
 そんな恐怖で震えてる俺のズボンを足の方まで下げてしまうと、京は白衣のポッケから、ニンジンを取り出す。
 ??
「どれを挿入したら、一番感じるか実験!はい、足広げてぇ」
なんだってぇぇぇぇ!!
「嫌、怖い、やだぁっやめてぇ…下さい!」
足の間にひんやりとしたニンジンの感触が走る。
 腿の間をいったりきたりされたり、隠された秘部に先だけちょこっとつけられたりして、ただのニンジンに俺は声を漏らす。
「っ…んっ………やっ」
「嫌じゃないでしょう?感じてるよ、君」
くすくす笑いながら、京はすかさず挿入を謀る。
「嫌っ…怖いですっ…痛っ…痛」
先がちょっと進入してきただけでも、身体が怯えるくらいの痛みが走る。
 こんなの嫌!なんで…なんで俺がこんな目にぃ。
 大人なのに泣く俺を見て、京はちょっと一人で考え込んで、ポンッと両手を鳴らした。
「そうだ、ニンジンにはマヨネーズだよね。つけてみようか、そしたら入りやすいかも…」
京太郎が冷蔵庫にマヨネーズなんてものをとりにいこうとしたから、俺はそのすきにダッシュで研究所を後にした。
 ううっ…なんで、なんで、なんで〜!?
 やっぱり可笑しいよ、この研究所。
 涙でぐしゃぐしゃになった顔を、袖でぬぐいながら、俺は闇雲に歩いた。
「あ」
やっぱり神様はいたんだぁ!
 こんな変な研究所にも。
 そう思ってしまったのは、目の前に『叶 英吏研究室』と書かれたプレートがあったから。もう、こんな場所、1分1秒もいたくないと思ったココロはいっそいでそのドアを開けた。
「英吏博士、すみませんお待たせ・……」
おかしい。何か可笑しい。
 部屋が真っ暗で、ろうそくが部屋の唯一の照明だ。それに、研究用のデスクがないかわりに、バラの散らばった巨大なベッドが部屋の中央に。
「やぁ、待っていたよ。ココロ。さぁ、そこのベッドに寝なさい」
「はい?」
待ってたってのはいいとして…寝る?なんで?
「おや、聞いてないかい?俺はヒトミくんに頼んで君を呼んでもらったのに」
「いえ、聞いてます。だから、お夜食を持ってきたんです」
俺は背中のリュックにしょっていたサンドイッチのタッパーを取りだし博士に差し出す。けれど、博士は真っ赤な唇を少しだけ緩ませた。
 ドキっとするくらいかっこいい博士は…なんていうか、そんな仕草もカッコイイ。
 ぽーっとしてたら、いつのまにか俺は博士にお姫様抱っこ。そして、連れてかれた場所はもちろんって言うか、やっぱりベッドの上…。
「あ、あの…博士?俺、何か間違ってました?それともサンドイッチお嫌いでした?」
「ん〜ん、嫌いなもんか。ココロくんが作ってくれたものなら、なんでも俺の大好物になるさ」
そういいながら英吏博士は、俺の上に乗っかり、俺がどこへも行けないようにしてしまった。顎をくいっと持ち上げられ、無理矢理に上を向かせられる。
 なんで、なんで、なんでこんな展開になるのさぁ〜!?
「ただね」
「ただ…?」
震える声で聞き返すと、博士は極上の笑みを浮かべた。
「俺のお夜食はきみなの。コ・コ・ロ」
「え」
「ヒトミくんも気付かなかったみたいね。前にあったときにヒトメボレだよ。今日は君を落とすまで帰さないからね」
「ええええーっ!」
「じゃあ、まずはキスから…」
「っ…!!」

 怪しい研究所、LLC研究室に、ココロの喘ぎ…悲鳴が響き渡る。さぁて、ココロは家に帰れたのか、英吏はココロを落とせたのか、二人の博士はココロを諦めきれたのか。それはご想像にお任せ致します…。

完。

これまたお馬鹿話しですねぇ……(^^;)
これは考え様にはいろいろいじくれるので楽しいです。
ちょこっとちょこっといろんなのを考えて続きを書いています。
お楽しみに(?)
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