厚情☆強情★ライフ

最初。 −2− 小説。


−1−



              厚情★強情☆ライフ
 「なんだか熱心だな」
俺が帰ってきた事に気付いていたのか、いなかったのかわからなかったけど、耀司は俺が家のリビングでくつろいで数分たってから話掛けて来た。
「ファンレターなんて家に持ちこむなよ」
俺は苦笑するしかない。だって、家でもなかったらファンレターなんて読む時間ないんだもん。仕方ないじゃないか。
「だって、せっかく書いてくれてるんだし」
そういいながらも、俺はピンクや黄色など可愛い封筒につつまれた、愛のメッセージいっぱいの手紙を読みつづける。
「天下の山下智久様はお偉いことで」
また始まった。こいつはいっつもそうだ。俺の仕事にすら嫌味を吐く。
「仕方ないだろっ。お仕事なんだよ」
「俺らまだ、高校生だろっ!なんで仕事なんてするんだよ」
ソファに座っていた俺の後ろから抱きかかえるように、耀司が首をきゅっと抱く。
 耀司の手はいつも冷たくて、それが温かくなる唯一の時を俺は知ってる。
「今日は学校は?」
「普通」
プッ、なんだよそりゃ。俺は思わず吹き出した。
「俺はお前の親じゃないんだから、もっと友達の話とかしてよ。俺だって学校行ってみんなに会いたいんだからさ」
そういうと、耀司はますます不機嫌になったみたいで、俺の首筋に顔を埋めてキスをする。
 耀司と俺は幼馴染ってやつなんだ。
 歳も同じで、家も隣同士。仲良くなるなって言う方が無理だった。
 でも、親が思う以上に仲良くなってしまったのは………俺にとってもビックリな展開だったけど。
「なぁ、仕事も学校も忘れろよ……」
耀司の声がいきなりワントーン下がって、クールになったから、思わず俺は振りかえる。
「耀……んっ」
耀司…そう言おうとした唇が強引にふさがれる。
 歌い疲れた喉が二人の蜜を貪欲に欲しがって、いつもより激しく舌を絡ませる。
「んっ…ぁっ…よう…じ…」
「トモ…」
俺はいわゆるアイドルってやつをやってて、巨大少年アイドルグループに入ってる。現在日本に存在する巨大6第事務所の一つで、1位、2位は藤プロ、白河プロに続いて3位を納める、なんともすごい事務所だ。
 俺はその中で一応がんばった方らしくて、最近CDを出させてもらった。ドラマとかにはちょくちょく顔を出すようにもなってきて、ファンレターも前以上貰うようになったのだ。
 俺はファンレターは返事は返せなくてもちゃんと読みたいって思うほうだったから、今日は家にもって帰ってきたんだけど…。耀司の機嫌を損ねちゃうのは困ったもんだなぁ。なんてったって、今は家に俺と耀司二人っきりなのだ。
 説明すると長いんだけどぉ…俺の妹のバトンの全国大会に親が二人とも応援でいっちゃったから、身の回りの世話をお隣の耀司君にまかせていったというわけ。
「俺はトモと一緒にいられればそれでいいんだから」
「耀司……」
嬉しいけど、すっごい嬉しいんだけど…。
 耀司はたまに、小さい子みたいな事を言う。俺たちだって、来年は大学生で、大人になっていくのに…。そしたら嫌でもいろんな人と話さなきゃいけなくなるじゃないか。
「学校のことを聞くのもなしっ。だいたい、俺がいるんだから、他のヤツの話なんてしなくても別にいいだろ〜」
やきもち妬きなのは嬉しいんだけど…さ。
 ちょっとさぁ…俺は学校好きなんだから、教えてくれたっていいじゃんかねぇ。
「んっ…あっ…でも……」
耀司は俺の首筋から舌を這わせ、Tシャツの中に指を滑り込ませる。
 冷たい手が胸の二つの突起をつかみ、意地悪するように爪をたてる。
「でも…なんだよ」
「…でもさ……俺…んっぁ…ああっ…俺たちだって…、そろそろ」
そろそろ、大人になる事を考えよう。
 こんなこと今の日本じゃ、公にして暮していけないんだから。二人が一緒にいつまでもいられるように…もうちょっと、大人な視線で世界を見て欲しい。そう言おうと思ったのに、耀司には、違う意味にとらえられたみたいだ。
「わかれるって言うのか」
「なっ…誤解…んんっ」
耀司はソファを飛び越えて、俺の上に乗っかる。
 耀司の重みを増したソファはギシッと軋み、体温が伝わってくる。
 やっぱり冷たい…耀司の身体は、火照り始めた俺を嘲笑っているようで、少し悔しい。
「誤解も何もない。お前の言ってる事はそう聞こえた」
噛みつくようにキスをされ、唾液が零れるのも構わず何度も口内を犯される。
「ん…耀司……お願い…聞いて」
「黙れよ…酷くするぞ」
「…耀司…」
口内から溢れ出した唾液をもったいないといわんばかりに、舐められる。
 俺の熱が耀司にうつって、耀司の低血圧な身体は火がともったように熱くなる。
 がむしゃらなキスで朦朧とする俺のジーンズのチャックを、口を使って開けていく。いやらしい感じがするこういう前戯が耀司は好きだっていつも言う。怒っていても欠かさないのは、A型って感じがして、なんだかおかしい。
「ひゃっ……んっ…」
「声出すのは嫌いなんじゃなかったっけ?」
意地悪そうな声が下肢から聞こえる。
「嫌い…だよっ…んぁっ…ひゃあっ」
「嫌いなのに、出ちゃうんだよな。トモは」
「耀司…がそんなことする…から」
耀司はさっきから俺自身に指を絡ませ、先端を舌先でチロチロと舐めている。先走りの蜜が滴り、耀司の口元を汚しているのを感じ、ますます俺は羞恥に昇りつめていく。
「………俺じゃなくても、いいんじゃないの。お前の事務所ならいっぱい男いんじゃん」
あまりに酷い言葉に、俺はキッとして耀司を睨み、頭を下肢から引離そうとする。
「そんなわけないだろっ!俺は…俺は耀司だから…」
耀司じゃなかったら、いくら幼馴染にでもこんな関係にはならなかったはずだよ。
 いつもリーダー的存在で、俺をひっぱってくれて、明るくて、太陽みたいで、少し人より茶色い目が妙に印象的で、子供のときから、大好きな耀司。
 それなのに、なんで疑うんだよ!仕事は仕事ってわりきってるのに…ちゃんと…。
「じゃあ、なんでこれ…隠してたんだよ」
これっていって耀司が出してきたのは、一冊の冊子。
 黄色い表示のその冊子には【土曜九時ドラマ:恋愛学園2】と書かれていた。
 そう、それは俺が明日からとりはじめる新ドラマの台本だ。
「別に隠してたわけじゃ…あっ…ふぅっ」
耀司はしゃべりながらも、俺への愛撫を止めない。たまに爪をたてたり、肌をキツク吸い上げるようにして痕をわざと残すのは、やっぱり機嫌が悪いからだ。
 どうしよう…明日、着替えとか見られたら、変に思われるじゃないかっ!
 耀司のばか!!
「ふーん。俺にはばっちり隠してたように見えたけど?机の一番置くにいれといたくらいだからね」
「それは、大事だったから…なくしちゃまずいし」
「どうだか。内容を俺に知られたくなかったからじゃないのか?」
「あのねぇ…それはドラマなんだよ。なんでわざわざ耀司が怒るのさっ」
あまりに理不尽な問い詰めに、そろそろ智久も限界で、ついついキツイ口調になる。
 それがますます怪しく見えたのか、耀司は一気に指を智久の中に押し挿れる。
「ああっ……っ…」
いきなりの感覚に唇を噛み締め、どうにかその圧迫に耐える。
「俺が怒るのが可笑しいって…。じゃあ、恋人が男とヤリあうのを俺は黙って見てるのがいいっていうんだな」
「そんなこと言ってないし…。それに、あれは演技なんだって…」
「…だれだったかな、お前の相手役。…そうだ、あれだ。野々宮朔也…藤 朔也だったか」「…っ…んぁっ…そうだよ…」
恋愛学園。その内容は、九時にやるにしては、妙にえっちぃ内容なっている。
 元共学だったのに、いきなり男子校になってしまった全寮制の学校を舞台に繰り広げられる恋愛ストーリー。つまり、男の子と男の子の恋愛を、爽やかにそしてちょっとエッチに描かれている。
 【恋愛学園1】はその藤 朔也君と丹羽吏人君という俳優が同じ寮部屋になったことから始まり、もどかしいながらも、学校行事や、日々を過ごすことで恋愛に落ちていくという、サクセスストーリーになっている。
 そして、今回の2の話は。
 新学期になり、ラブラブな2年生になった二人の前に、俺扮する新一年生が朔也君にヒトメボレをして、アタックかけることから、ちょっといざこざが始まる…というストーリーなのだ。
 つまり、俺は朔也君を攻める役。
 普段耀司との関係があるから、なんとも痒い感じのする役どころだ。
 ただし。この番組。視聴率がめちゃんこ高い。
 主役の二人はトップ歌手だし、それに加え、話しの面白さ、監督のすばらしさは、ドラマ界を多いに揺るがした作品だ。
 だから、この話しが来た時、俺は多いに悦んで即答した。
 ………耀司が怒る事は頭の隅にはちゃんとあったんだけど。
「男といちゃいちゃする映像が…全国に流れるんだぞ…俺以外の男とやってるとこが」
「…………本当にするわけじゃないっ」
「わかってるっ」
グイッと押しこまれていた指の本数が増やされ、中に突き挿れられる。
「ああぅ」
「………刻み込んでおくからなっ」
「…えっ?あ…んーーっ」
指がいきなり引きぬかれる。
 俺はこの瞬間がちょっと苦手。いきなり手持ちぶたさな気持ちになり、モノ欲しそうな目で耀司を見つめていると、笑い声が聞こえた。
「犯ってやるよ」
「あああっ」
耀司の既に猛った熱棒が肉壁を押し開くように、挿し入れられ、俺は喘ぎ声を抑える事ができず、リビングいっぱいに広がる声で叫ぶ。
「お前は俺のものだって…証をつけてやる」
肩をガブッと噛まれる。
 熱さを感じ取り、俺はそこに手をやると、しっかり型が残るほどに噛まれたみたいだ。
「んっ…あっゃ…着替え…できないだろ…人前で」
「する気なのか?」
「……男なのに…隠れてたら…変…だって…言われる…ひぁんっ!」
「見せつけてやればいい」
耀司の熱棒が、最奥まで達し、軽い注挿を始める。
「あっ…はっ…あん…耀司、耀司…」
「お前は俺のなんだからなっ」
「んっ…ああ、ああーーっ!」
耀司のが中で大きくなって、俺の中を突く。
 頭の中が真っ白になったその瞬間、俺たちは二人同時に欲望を放っていた。
続く。


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